ザトウクジラ

クジラの種類

クジラ類は生物分類上はクジラ目に属し、ヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目に分けられます。

<ヒゲクジラ亜目>

ヒゲクジラ類は歯をもたないが、上顎から生えた「ひげ板」または「鯨鬚」(くじらひげ)を使って餌を捕らえます。 またヒゲクジラ類は、鼻の穴が2つあります。ハクジラ類より、一段階低い栄養段階の生物を餌としてきたため大型化したものが多い。

<ハクジラ亜目>

歯を持っており「くじらひげ」は無い。外鼻孔は1個であるが、少し中に入ったところで2道に分かれている。 マッコウクジラ科、アカボウクジラ科、ゴンドウクジラ属などに属する約20種の他は、小型でイルカ類といわれている。 また、そのなかで分類されています。

ホエールウォッチング

沖縄海域での回遊、出現が確認されている、ヒゲ鯨の4種はザトウクジラ、イワシクジラ、ニタリクジラ、コイワシクジラで、 現在もっとも良く見られるのが ザトウクジラです。

クジラとイルカの違いってなに?

簡単に言えば大きさの違いだけで、おおよそ4mを基準にして、体長がそれより小さいものをイルカ・大きいものをクジラといっているだけのようです。

ザトウクジラのカラダ

どのくらい大きいの?

ザトウクジラは♂オスが平均14.3m、♀メスが15.2m。記録上もっとも大きいメスは19m! 体重は季節変動もありますが、35~50トンになります。 また哺乳類の仲間では珍しく、メスの方がオスよりも大きくなります。

ザトウクジラの大きい翼!!

ザトウクジラは他のクジラと比べて非常に長い胸ビレを持ち、学名megapteronは「大きい翼」という意味だそうです。 長いものでは4.6mにもなり、体全体の3分の1くらいの長さにもなります。 ザトウクジラはこのオールのような前肢を動力としてではなく、水平垂直の安定装置として、停止と発進を助ける為に使うようです。

ザトウクジラ

また、尾ビレも特徴的で大きく翼のような形をしており、ふちがギザギザになっています。 尾ビレの下側には黒と白の模様があり固体ごとに特徴的な形をしており、ホエールウオッチングや、クジラの調査をするときには、 この尻尾の模様を見て、個体を見分けるそうです。

ザトウクジラ

体毛、皮膚は・・・

クジラは哺乳類の仲間ですが、海での生活に適応しきっているため、体毛はありません。 しかし、ザトウクジラの顔にある小さなコブには「感覚毛」と呼ばれる毛が生えており、これを使って水流を感知すると言われています。

ザトウクジラの皮膚には、フジツボが付着していることが多いので、学者のほとんどは特別敏感ではないと考えられていましたが、 皮膚にどんなに軽く触れても、クジラは身震いをする。これは抹消神経がたくさんある証拠であると考えられるそうです。 また、親子のからだのふれあいが彼らにとって重要なこともわかっているようです。

嗅覚は・・・

嗅覚は退化しており、ザトウクジラが臭いを感じるかどうかは微妙であるといわれています。

目は・・・

目はとても小さく深く潜った時に水圧に負けないように、と考えられています。

ザトウクジラの生活

何を食べている?

ザトウクジラ達は主に水面から50m以内の浅いところにいます。 オキアミのようなプランクトンやニシン、イカナゴ、カラフトシシャモ、サバ、スケトウダラ、 タラ、イワシ、カタクチイワシなどの小魚を食べて生活しています。餌を食べるときは周りの水ごと口の中に獲物をいれ、 大きなクジラヒゲを通して水を吐き出すことにより獲物だけをこしとって食べています。 暖かい温帯の海で越冬するときははほとんど食べず、夏に極や亜極の餌場に回遊したときそれを補っています。

回遊。。。

ザトウクジラは春から夏、秋の初めにかけては高緯度地域の餌場で生活しており、冬になると暖かい低緯度地方の海へと移動し、交尾や子育てを行います。 彼らは普段群れで行動し、通常は20~30、多い時には100~200もの群れを作ります。 それぞれの群れはそれほど結びつきは強くなく、大体1~3匹が一緒になって行動します。

なぜ回遊するのか?回遊説・・・

クジラは脂肪の保護層でよく断熱されています、その地域にあった気候に食習慣をあわせなければならないため、 『もし、高緯度の熱帯の海で採餌をおこなったら、熱で死んでしまうだろう、、、。』それが冬のあいだ、ほとんど断食して過ごすひとつである。と考えられるようです。

ザトウクジラの泳ぐ速さ

採餌中2~4km、遊泳中・回遊のとき5~15km、逃げるとき25~27km。参考までに、マグロは70~80km、その気になれば160km!!北島康介選手は7km弱だそうです。。

ちなみに、クジラとペンギンは、泳ぐ速さが同じらしいです。

年齢

年齢はどうやって数える?

ヒゲクジラの場合、耳アカで調べるそうです。耳の穴が表面近くで閉じていて、閉じた内側の外耳道にもアカはたまり表面がはげ落ち耳アカになる。 耳アカは季節によって成分が違い、冬は子作りをし、夏は餌ばかり食べている生活なので、夏の耳アカは油に満ちて白く見える。冬は油が少なく黒いそうです。 耳アカは、木の年輪そっくりの模様になっていて、縞を数えると年齢がわかるそうです。だだし耳アカは捕鯨をし解剖しないと出てこないのが、欠点だそうです。

報告されている最高年齢は77歳ですが、ザトウクジラの平均寿命は45~50年程度であると言われています。

繁殖・子育て

求愛行動

一夫多妻かつ一婦多夫型であり、発情期のメスには数多くのオスが求愛行動を行います。 ザトウクジラの求愛行動には水面を胸ビレで叩いたり、仰向けになったり、頭を上にそらせてそのままの形で沈んでいく(ヘッドアップ)行動を取ったりします。

求愛が成功するとオスとメスが縦に並んで泳いだり、その後互いに回転して泳ぎ、胸ビレや尾ビレで互いに叩き合うところが目撃されています。 また一緒に深くもぐりそのまま互いのおなかをくっつけあって浮上し、水面から胸ビレあたりまで姿を現した後、共に水面へと倒れこむしぐさも知られています。

クジラの赤ちゃん

クジラは平均すると1年おきに1頭しか子供を産みません。ザトウクジラの大きさに比べて、妊娠期間は短く11~12月で、 この間に胎児は母親のおなかの中で一ヶ月に17~35cmの割合で成長し、 生まれるときには既に体長4.6m、重さ1.3トンになります。

ザトウクジラは普通温かい温帯か、熱帯の水域で子供を産みます。最初母親のミルクを使って子供を育て、授乳期間は約5ヶ月ぐらいです。 この間子育てはメスの仕事であり、オスは全く子育てを行うことないそうです。

ザトウクジラ

歌うザトウクジラ♪オスだけが歌う求愛の歌

繁殖期のザトウクジラのはよく『歌』を歌うことが知られています。高い低い。継続性、旋律、リズムもあるそうです。声帯ではなく鼻の穴から音を出すそうです。 その長さは35分から長いときには数日にも♪息継ぎに水面に上がる時は中断し、その後潜ると続きから始める。 歌うのは冬の繁殖期に単独で行動しているおとなの雄だけが歌うそうです。

「座頭鯨」の名前由来

「座頭鯨」名前由来

日本語名は漢字で書くと「座頭鯨」この名前の由来については、色々な説があります。 むかしザトウクジラの丸みを帯びた体が「座頭」と呼ばれる琵琶に似ているため、それに由来するという説。

海岸近くに来たとき、水面から出た体が大きな頭だけを外に出して座っているように見えることから、「座頭」の名前がついたともいわれています。

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